一般社団法人 人工内耳友の会 ACITA

人工内耳友の会 ACITA
ACITA会報 No.148
2025/2発行

目 次
◆巻頭言 難聴対策と認知機能/東京医科大学病院 聴覚・人工内耳センター センター長 西山 信宏 先生
◆ACITAからの報告
2025年度総会日程
新規助成報告
役員研修会報告
スピーチプロセッサアップデートのお知らせ
四国ブロック大会の案内
◆支部便り
茨城支部 千葉支部 神奈川支部
静岡支部 東海支部 東京支部
石川支部
◆人工内耳装用記
要領を得ないままに駆け抜けた一年目
全国障害者スポーツ大会「SAGA2024」報告
新しいプロセッサを購入して
人工内耳を装着してから
◆難聴者音楽感受研究所便り
音楽を聴きに来ませんか/一般社団法人 難聴者音楽感受研究所 理事長 松本 祐二 先生
◆ふりーとーく
勝手にコーヒーブレイク
◆メーカー掲示板
日本光電工業(バイオニクス)
メドエルジャパン
日本コクレア
◆お知らせ
会員動向 お礼 事務局便り
編集後記 情報発信
青い鳥はがきのお願い
会費納入のお願い
巻頭言
難聴対策と認知機能
東京医科大学病院 聴覚・人工内耳センター
センター長 西山 信宏 先生
難聴対策によって認知機能の低下予防が期待できるー そんな話をお聞きになったことはないだろうか。
認知症発症には様々なリスク因子(原因)があるとされるが、その中にはある程度自分自身の努力で予防対策できるものがある。
代表的なものに生活習慣病対策がある。生活習慣や食生活の乱れ、飲酒、喫煙、運動不足は高血圧症、脂質代謝異常、肥満、動脈硬化などをきたすが、このような危険因子に対策を講ずることで認知症のリスクを減らすことができるという訳である。動脈硬化は脳への血流に影響するであろうし、高血圧症を伴うと、脳出血のリスクが高くなり、出血後の虚血がまた脳の機能に影響することなどが予想される。
これらに加えて、実は難聴対策にも認知症の予防効果が期待できると見込まれている。-ん?難聴と認知症が関係する?少し意外な感じがするかもしれないが、難聴が進行するとどのような事がおこるのだろうか? 難聴は耳に入った音が十分には伝わりにくくなる状態である。難聴の程度によっては全く伝わらない。耳より奥(中枢)にある脳への刺激が減っている状態なのだ。脳という器官は神経の集合体であるが、脳や、脳と耳をつなぐ神経は、刺激が不十分だと様々な変化をきたすことが知られている。神経細胞の数が減ったり、神経細胞自体が小さく(容積)変化したりすることが多くの研究結果に示されている。これらは「難聴が神経に与える変化」である。刺激が減ると脳の活動も衰えてくるというわけだが、この点は直観的にわかりやすい話かもしれない。また、音が全く入らない場合、本来は聴覚刺激に反応すべき脳の機能が変わり、例えば視覚刺激に反応するように変化すること等も知られている。これは脳の一部が役割変更をするようなものである。このように音入力という脳への刺激が減ることによっていろいろな変化がおこっていく。そう考えると難聴は認知症とも関連が深そうである。
さて、人工内耳では外界の音を電気刺激に変換して、内耳の奥の聴神経を直接刺激している。人工内耳の手術を受けられた方やそのご家族にとって、一度は聞いたことがある話かもしれない。人工内耳をはずした状態では音が入らなくても、機器を装用すれば神経の刺激を確保できるのである。そこで、聞こえの神経に刺激を加え続けると、難聴に伴う神経の変化を防ぐことができる。その効果は神経の衰え具合によって違うとはいえ、「難聴が神経に与える影響」を少なくすることができるのだ。きこえづらいと会話自体が億劫になり、話の輪に入りづらいことや、社会的孤立をきたすこともある。
補聴器や人工内耳の効果には個人差があるので皆さん一律とはいかないが、人工聴覚器を活用して人とのコミュニケーションを保ち、外向きの行動様式を維持して健全な心身を保とう。聴神経の刺激、聴覚中枢を賦活し続けることは脳の健康保持にとって大切なのだ。
人工内耳装用記
第23回全国障害者スポーツ大会
「SAGA2024」報告
ACITA会員 MM様
皆さんこんにちは。遅い報告になりますが、令和6年10月26日から28日に佐賀県で開催された「SAGA2024」全国障害者スポーツ大会(国体)に県選手団(陸上競技)の一員として参加してきました。(大会派遣期間は10月24日~29日) 14名の陸上選手団は身体障害7名、知的障害7名の内、80代と60代の女性2名、私55歳の聴覚障害(難聴者)3名で、それぞれ要約筆記者・手話通訳者を帯同しました。
私は二種目出場し(区分 聴覚障害2部)、立ち幅跳び(2ⅿ21)ジャベリックスロー(25ⅿ88)と、それぞれ3位となり銅メダルを2個獲得する事ができました。元々陸上競技はやっておりませんでしたが、障害者手帳を貰った10年程前に地元の身体障害者協会のスポーツ大会に参加したのがきっかけで、7年前の愛媛大会にも選抜されましたが、立ち幅跳びで2㎝負けメダルを逃しました。今回は2回目ということもありメダルを何とか持ち帰りたい意気込みもある反面、不安やプレッシャーが大きい心境の中、周りの皆さんからも応援をもらい曲がりなりにも強化練習会や自主練習をこなし大会に臨みました。(出場決定からは強化練習会優先のスケジュールに) また、年齢的に記録も思うように伸びませんが 80代60代の先輩方には刺激をもらい練習を頑張ることができました。
私が出場する障害区分は聴覚障害2部(40歳以上)で主に聾・難聴者で他には音声・言語・平衡機能・そしゃく障害ですが、聾の方が3分の2くらいで情報保障も手話が多い感じでした。フィールド内(競技場)では現地の通訳者が付き添いとなり、少しの間でしたが要約筆記者と話もできました。
大会1日目、なんと岐阜県選手団一番手の出場となり(立ち幅跳び)大会記録保持者を含む6人の厳しい戦いでしたが、3位の確定順位を聞いたときは7年前の忘れ物を取りに行けたとホッとし、「これで帰れる」と同時に1番バッターの役目を果たしたと、胸をなでおろしました。(県陸上選手団は全員メダル獲得)メダル授与会場には7年前にも帯同してもらえた要約筆記者が駆けつけてくださり喜びを分かち合いました。私は1日目で2種目とも終わり残り2日間は安心して(気楽に)応援団に回りました。会場内の電光掲示板(大型スクリーン)には音声が入るときは常に手話通訳と字幕(要約筆記)が映し出されておりました。また、往復の飛行機では難聴者と把握していたようで離陸後に到着時刻等の文字案内の絵ハガキが配られたのも印象に残りました。
5泊6日の大会期間中は朝5時の冷たい弁当(お昼も)で宿は狭いビジネスホテルに要約筆記者と二人部屋、常に団体行動等大変なスケジュールでしたが、とても印象深く達成感があった大会となりました。この様に周りの方に支えていただいたことに感謝し、今後とも健康維持も兼ねて練習を継続していきたいと思っております。なお、次回の大会は滋賀県で開催されるそうです。
人工内耳を装用してから
ACITA会員 WN様
私の耳の片方はスケールアウト、 もう片方の耳は高度難聴です。 前庭水管拡大症という病気からか、幼少の頃からめまい、吐き気、聴力低下がある日突然起き、 10日間ほど動けない時がありました。 このときは全く聴こえなくなります。10代後半から何回も入退院を繰り返す事があり、医師の勧めから人工内耳装用を決めました。
残っている聴力もいずれ聴こえなくなるだろうとのことから、 多少なりとも残っているうちに手術を受け、スムーズに社会生活を送るために決めたことでした。
手術を受けてからもうすぐ6年。 あれからめまい、吐き気などが全くなくなりました。心配していた社会生活も無事に過ごせています。 右耳と左耳では聞こえ方が違い慣れるまで時間がかかりましたが装用して良かったです。悩んでいる人がいたらお勧めしたいです。
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