一般社団法人 人工内耳友の会 ACITA

人工内耳友の会 ACITA
ACITA会報 No.149
2025/5発行

目 次
◆巻頭言 ACITAとの25年/要約筆記サークル PCかながわ 高崎 昭子 様
◆ACITAからの報告
2025年度総会日程
2026年度全国大会のお知らせ
新規助成報告
Zoom懇親会報告
◆支部便り
茨城支部 埼玉支部 東京支部
東海支部 神奈川支部 静岡支部
愛媛支部 熊本支部 香川支部
◆人工内耳装用記
アップグレード交換
◆体験談発表
人工内耳で広がった音の世界
◆2026年全国大会のお知らせ
香川大会(高松市)開催決定
◆ふりーとーく
勝手にコーヒーブレイク(107) (大阪府 平本 和子)
◆メーカー掲示板
メドエルジャパン
日本コクレア
日本光電工業(バイオニクス)
◆お知らせ
会員動向 お礼 事務局便り
編集後記 情報発信
会費納入のお願い
巻頭言
ACITAとの25年
パソコン要約筆記サークル PCかながわ
高崎 昭子 様
皆様、はじめまして。私は3月まで「PCかながわ」としてパソコン要約筆記のサークルの運営に関わっていた高崎と申します。ACITAができて間もなくから、会議や講演の情報保障を担当してきたご縁で、ACITAとの出会いや関わりを振り返る場をいただきました。
当会は1998年神奈川で開催された身体障害者スポーツ大会を機に、神奈川、横浜、川崎の難聴者、健聴者の有志で始まりました。初期の会の活動は、パソコン要約筆記を強く望んでいた会長の下、IPtalk製作者の栗田さんによる「パソコン要約筆記講習会」、難聴講師による「難聴者のためのパソコン教室」などを開いていました。数名からスタートした会員も、要約筆記奉仕員、登録要約筆記筆者と経験を積む中で増え、聴覚障害者関係からの依頼にパソコン要約筆記者を派遣するようになりました。3月末の登録会員は60名弱、うち20名強が常時活動していました。私個人は身スポ大会終了後、栗田さん主催の勉強会に参加していました。栗田さんから「パソコン要約筆記入門」の著者である太田晴康さんに繋いでいただき、様々な現場で経験をさせていただきました。
まだ機材が揃っている現場ばかりではなく、太田さんのプロジェクターをお借りして現場に向かうこともありました。プロジェクターの性能も現在とは異なり、明るい部屋で輝度の低い機材での投影は、幽霊のようにぼんやりしてしまったこともありました。
ACITAとの出会いも、そんな中で生まれました。2000年、武蔵野公会堂で開催されたACITA総会・懇談会に太田さんの手伝いで伺いました。総会には手書きの要約筆記、手話通訳が付いていました。パソコン要約筆記は太田さん個人に依頼されたそうです。客席の後ろに太田さんのお宅にあったパソコンをありったけ運び込み、デモンストレーションの形でパソコン要約筆記を見ていただきました。その折り、ACITAでお弁当の係をしていた千葉の吉岡さん、横浜の故岩澤さんから昼食のおにぎりをいただき、パソコン要約筆記やパソコンのことを聞かれました。
私から毎週土曜に三田の都障害者福祉会館で開かれている勉強会を紹介しました。間もなく、お二人が勉強会に見学に来られました。岩澤さんが横浜の難聴者協会の会員であるご縁で、横浜在住の私たちに「横浜あゆみ荘」で開催される会議での情報保障の機会をいただくことになりました。まだまだパソコン要約筆記の認知度が低い中、ACITAはいち早くパソコンの利用に踏み切られたのです。まだヨチヨチ歩きで、情報収集も十分でない私どもは、小木会長から、難しい用語や組織の仕組み等を教えていただいたものです。長時間、ひたすら聞こえた言葉を整理し、整文して入力するのは大変でしたが、初期の私たちを育ててくださったのは紛れもなくACITAだったと思っています。
毎年1月に運営委員による研究発表も行われており、湯河原まで泊まりで帯同したこともありました。病気を抱えていらした岩澤さんも参加されていたことを思い出します。銀座教会地下の集会室での定期会議、船堀での総会・全国大会等々…本当にいろいろな場所での会議を担当させていただきました。コロナ前までは毎月三田の障害者福祉会館で、終日の理事会が開催されるようになりました。
昼休みにお弁当を食べながら理事の皆様と親しく触れあうことができ、楽しいひとときを過ごしたものです。あっという間の四半世紀だったと感慨深い思いでいっぱいです。
さて、2020年1月にコロナの感染が初めて横浜で確認されました。正体不明の感染症であり、先の見えない状況に、皆が怯える毎日でした。私も東京開催の依頼は、 2月を最後にお断りするようになりました。それから数年は都内に足を踏み入れることもなくなりました。当会の役員会も開催を見送る状況が続きました。各地の皆様も、コロナ禍での役員会開催などはご苦労されたことと思います。三田でのACITA理事会も、しばらくお休みとなりました。
家にいることが多くなった私は、会のメンバーと2人でこの状況を抜け出す方策を模索し始めました。通訳に使っているソフトのIPtalkは離れた場所にいるメンバー同士が、同じ場にいるように連係入力することができません。通信する方法もありましたが、システムの管理やトラブル対応を考えると使うことができませんでした。
Zoomでの会議開催は可能でしたので、通訳さえできれば何とかなると感じていました。情報を集め、いくつかの候補を選び検討した結果、たどりついたのが筑波技術大学の若月先生が管理されている「captiOnline(キャプションライン)」でした。管理もメンテナンスも不具合への対応もスムーズにしてくださるようです。お試し版で練習後、さっそく会として申請し、 PCかながわの部屋をいただきました。しかも入力はIPtalkとよく似ていたので、慣れれば情報保障はできます。簡単に離れたところから連係入力ができることに、感動しました。2人であれこれ練習しているところに、ACITAの理事のお一人から「理事会を開くことができず困っている」との相談が入りました。今度はその方を加えた3人で、 LINEやZoomを通して練習を開始しました。すぐにこのソフトを使うことを決心され、ACITAのcaptiOnlineの部屋も確保できました。練習を始めて1か月ほどでオンライン理事会を開くまでになったと記憶しています。当会も同じ方法で役員会を試みましたが、難聴者役員に使い方が上手く伝わらず、悪戦苦闘した経験があります。対面なら難なくこなせたものを、と残念に思いました。それを考えると「ACITA理事の方たちのチャレンジ精神は凄いな」と感心しました。ZoomとcaptiOnlineの設定や使い方のマニュアルはお渡ししましたが、それなりに苦労されたと思います。
利用者側は、captiOnlineの利用者ページに入り、同じPC画面上でZoomも開き、顔を見せて話し合います。ZoomとcaptiOnlineの大きさの比率は各人の好みに設定します。情報保障画面が別のため、Zoomの共有画面で資料を見ることができます。
情報保障者側は、ZoomとcaptiOnlineの入力者ページに入ります。Zoomには顔出しはせず、音声もオフにします。通訳者間でフォローや間違いの修正ができるようにSkypeの音声機能も使います。問題は3つのアプリを開き、さらに資料も見るとなるとPC画面がいっぱいになってしまう点です。私は14インチのモニターをPCの前に置き、Zoomはそちらに映す。手元のPCではcaptiOnlineと資料、小さくSkypeを開いています。家にある不要なテレビを利用する方、iPadを利用される方など、少しでも通訳しやすいように各自工夫しながら担当しています。
会議開始の1時間ほど前にcaptiOnlineとSkypeで集合し、資料の確認、通訳の進め方、音環境を確認します。Zoomの音声確認も必須です。それでも、オンラインという機械相手でもあり、必ず誰かが「Skypeが聞こえない」「Skypeはいいけど、Zoomが聞こえない」「どこかがハウリングしている」など、小さなトラブルは起きます。その度に、メンバー同士で「こうしてみて」「そこはどうなってる?」とアドバイスをもらいながら開始に備えていました。
さらに、「ここまでできたのだから」と欲を出し、資料のやりとりにGoogleのドライブ機能を使うことも提案しました。情報保障担当の理事さんとも、重い資料を簡単にやりとりできるようになりました。その月の担当メンバーに共有すれば、各自で随時資料をダウンロードできます。メールでのやり取りが不要となり、コーディネーターの私の負担も大きく減りました。
このように次々と新しい対応を迫られるここ数年でしたが、共に勉強し、対応してくださった理事の皆様には頭が下がります。会議をするために、情報保障は必要だとの一心からだと思います。私どもの会は事情により本年3月で閉会し、理事会の情報保障を終了しますが、後継の情報保障グループも確保できたと聞き安心しております。25年という長い期間、情報保障を通じてお付き合いくださり、ありがとうございました。これからも、積極的に新しい取り組みに挑戦する姿勢を応援しております。

第1回Zoom懇親会開催報告
ACITA理事会
ACITAの革新に向けた新たな活動として、ウェブ会議システムZoomを用いた会員懇親会を開催いたしました。ご自宅等から、Zoomでご参加いただき、ACITAからの情報提供のあと、参加者間で情報交換等を行いました。
■日時:2025年2月23日(日)13:30〜15:00
■参加者:20 名(理事 5 名を含む)
■内容
第一部 ACITAからの情報提供
(人工内耳の健康保険適用、福祉助成)
第二部 装用者どうしで話そう
(使い方・工夫、機器について、疑問 等)
■参加方法:ウェブ会議システム Zoom をインストールしたパソコン、スマホ、タブレット端末をご用意いただき、自宅等からインターネットに接続してご参加いただきました。
■情報保障:遠隔 PC 要約筆記 & Zoom の自動字幕機能を併用
■参加費:無料(インターネット接続料等が必要な場合は各自負担)
第一部では、ACITAから下記の内容で「人工内耳の健康保険適用、福祉助成」に関する情報をご提供しました。
第二部では、ご参加の皆様のご体験等に基づき、人工内耳に関する情報交換を行い、有意義な時間となりました。
第2回の企画も検討中です。ご自宅等からお気軽にご参加が可能であり、遠方であっても、装用者同士が知り合い、情報交換ができる良い機会になると思いますので、ぜひご参加をご検討ください。

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